
長崎市で印刷業を営む実家で生まれ育ち、大学卒業後は長崎に貢献したいと地元企業に入社し、建築と不動産業を学ぶ。3年前に東京で広告業の会社で働く弟と一緒に実家の会社を継ぐ。印刷業だけでなく前職で兄弟それぞれが得た経験である建築・不動産・広告を取り入れ宝栄印刷から宝栄に社名も変更し、新たらなスタートを切る。現在に至る。
◾️プロフィール
岩満隼平
1988年月日生まれ
長崎県長崎市出身
有限会社宝栄 代表取締役
今のお仕事内容を教えてください。
有限会社宝栄は50年以上続く会社です。創業時から印刷業を行っています。
その他に広告パッケージ、内装デザイン、不動産になります。
印刷と内装デザインや不動産事業は一貫性がなく結びつかないと思われるのですが、実は全ての事業が繋がっています。
例えば、お店を出店したい方がいたら店舗探しから店内デザイン、そしてお店の広告物の印刷を全て当社でノンストップでお手伝いができます。
実家を継ぐ事を意識したのはいつですか?
生まれた時から実家が印刷会社だったので何となく、継ぐのかなとは考えていましたが本格的に実家を継ぐ事を意識したのは30歳を迎えた時ぐらいです。学生時代はアパレル業界を目指したことがありました。前職が飲食店やパチンコ店を運営しており、新たな店舗の土地を探したり、建築に関わる仕事を経験することができたので実家の印刷業を継ぐというよりも経験を活かし、新たなことにチャレンジしていきながら長崎に貢献できる会社をにしたいです。

実際に会社を継いで、苦労したことや大変だったことは何ですか?
最初は思っていた仕事と現実のギャップに戸惑いました。設計士はとても地味な作業が多く、中々人には伝わらない苦労が多々あります。黙々と一人で作業する時間が多いのでパソコンで図面を作っているイメージが強いと思いますが実際は現地調査を何度も行い、お客様の要望を叶えるためにアイデアを出すための会議を日々、行ったりしています。
お客様にとっては人生の大きな買い物なので責任も大きいです。
仕事の中で特に大切にしていることや、こだわりは何ですか?
「建築設計の仕事で特に大切にしているのは、“使う人の暮らしや働き方を考え抜くこと”です。建物は単なる箱ではなく、そこに住む人や利用する人の人生に深く関わる存在です。そのため、設計する際には機能性やデザイン性だけでなく、快適さや動線、さらには自然光の入り方や風の流れまで細かく考えています。
また、お客様との対話を重視し、“どんな暮らしをしたいか”を丁寧にヒアリングすることもこだわりのひとつです。設計士としての提案を押し付けるのではなく、お客様の想いを形にしながら、専門家としてより良い提案を加えていくことを心がけています。
さらに、建築は多くの人が関わる仕事なので、施工会社や職人さんとのコミュニケーションも大切です。図面だけでは伝わりづらい部分をしっかり共有し、現場と協力しながら理想の空間を作り上げることが、私の設計のこだわりです。」

業界全体の課題や、今後の展望についてどうお考えですか?
「建築設計業界の大きな課題の一つは、人材不足と技術継承です。設計の仕事は専門知識が求められ、長年の経験が重要ですが、若手の担い手が減少しており、技術やノウハウの継承が難しくなっています。
また、環境への配慮とデジタル化も重要なテーマです。持続可能な建築が求められる中、省エネ設計や再生可能エネルギーの活用が不可欠になっています。さらに、BIM(Building Information Modeling)などのデジタル技術の活用が進み、設計・施工の効率化が求められています。
今後は、環境と調和しながらも、機能的で美しい建築を実現することが求められます。最新技術を取り入れつつ、人の心地よさを大切にした設計を目指していきたいです。」

今後チャレンジしたいことや、新たな目標を教えてください。
「今後チャレンジしたいことは、環境に配慮した持続可能な建築の設計にさらに力を入れることです。近年、カーボンニュートラルや省エネ建築が求められる中で、自然素材の活用やパッシブデザインを取り入れた設計に挑戦したいと考えています。
また、デジタル技術の活用も大きなテーマです。BIM(Building Information Modeling)やAIを活用し、より効率的で正確な設計プロセスを構築することで、クライアントにとってより価値のある提案ができるようになりたいです。
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